知的財産法全般 の記事一覧

©マークを付けると何かいいことありますか?

「©マークを付けると何かいいことありますか?」という質問をよく耳にします。

 

©マークを付けて、このコンテンツをアップした年と名前を入れておくと、それを使いたい人から連絡がきて、何かのチャンスに繋がるかもしれませんよ。ともかくも、このコンテンツを勝手に使わないでねという意思表示にはなります、というのが実用的な答えです。

 

「©マークを付けないと、著作権を主張できないですか?」

続きを読む

著作権が生まれる時

「©マークがついてない画像は、使ってもいいんですか?」

 

専門家としての標準的答えは、「安易に使ってはダメです。著作権フリーかどうか確認しましょう。」といったところでしょう。これは、実用的答えになっていないですよね。実用的な確認方法がないのですから。

 

ところで、下の写真は、著作権の観点から使っていいと思いますか?

Macaca_nigra_self-portrait_large

続きを読む

バーチャル特許部とは?

 

「バーチャル特許部って何ですか?」

「どういう意味の言葉ですか?」

 

名刺の「バーチャル特許部(登録商標)」などと印刷しているもので、頻繁に受ける質問です。

 

NHKの朝ドラ「あさが来た」の加野屋が時代の変化に対応して両替商から銀行に代わっていくように、バーチャル特許部も知財部のないベンチャー企業の知財コンサルティング業務から、知財のブログへと変貌してきました。たぶん、5年後は違う顔を持っていることでしょう。

 

加野屋がお金を扱うというコンセプトを継続しているように、知財を扱うというコンセプトさえ一貫してさえいれば、いろいろな顔を持ってよいと思っています。

 

 バーチャル特許部員 七変化

続きを読む

中小企業の知的財産活用(3)

中小企業の知的財産活用(3)

 

前回、8つの知的財産活用パターンをご紹介しました。

この中で何か一つを取るならば、断然、知的財産の「見える化」です。ここがすべての始まりであり、ここが出来ていれば色々な可能性にチャレンジすることが出来ます。

 

先週末に国際ロボット展 http://biz.nikkan.co.jp/eve/irex/ を見てきました。ここで知的財産の見える化を上手にやっている中小企業として、しばしば紹介される株式会社ナベルがブース出展をしていることを見つけました。

ロボット写真

ロボット技術としての蛇腹

続きを読む

中小企業の知的財産活用(2)

中小企業の知的財産活用(2)

 

前回、知財活用とは、知的財産を「見える化」することだと申し上げました。知財に形をつけて見えるようにすると、社員さんが自社技術にプライドが持てるようになり、社内が活性化するという話でした。その文脈で「下町ロケット」における「佃プライド」や佃製作所の社員一丸となった強さも理解できるわけです。

 

これは知財活用の一例で、すべてではありません。今回は、広い視野から知財活用を俯瞰したいと思います。

 

8つの知的財産活用パターン

続きを読む

中小企業の知的財産活用

中小企業の知的財産活用

20151127_142353

「下町ロケット」(池井戸潤著)が、2度目のテレビドラマ化されて好評を博しています。帝国重工という大企業を相手に中小企業の佃製作所が特許権を盾に互角に渡り合っていくストーリーには、感動させられるものがあります。

 

中小企業の経営者の方々にも、このドラマに大変感化されて、このドラマで知的財産の大きな可能性に思いを馳せた方がたくさんおられると思います。ただ自社の経営の中で知的財産を活用することを考えたとき、特許権とか商標権と経営との係りにリアリティを感じられない方が大半なのではないでしょうか?

 

自社では取得している特許はまだないとか、数件しか特許を取得していないといった中小企業が特許権を巡ってのドラマチックな係争を展開するというのは、私にもリアリティが感じられません。

 

しかし、「佃プライド」には、ドラマの世界を離れても知的財産との関係でリアリティのある内容があります。今回は、知的財産を活用して「佃プライド」的なものを社内に芽生えさせようという提案をさせていただきます。

 

 知的財産活用と中小企業のプライド

続きを読む

知的財産法の保護対象(3)著作権法

知的財産法の保護対象(3)著作権法

 

前回は、特許法の保護対象ではないということを理由で拒絶の憂き目に遭っていたビジネスモデル特許も、定番の対応があり、特許として保護されうるということを書きました。この定番の対応は、人工知能、特に人と同じように考えるような汎用人工知能の発明についても、ある程度有効になるだろうと考えています。まー、実務家としては、この問題を掘り下げるのは、具体的事案が現れてからでもよいでしょう。というか、具体的事案への積み重ねによって、対応の方法が固まっていくものでしょう。

 

さて今回は、著作権法の保護対象についての話を、人工知能による創作という問題から述べてみたいと思います。

 

 著作物の定義

続きを読む

知的財産法の保護対象(2)特許法

知的財産法の保護対象(2)特許法

 

前回は、特許法の保護対象ではないということを理由に拒絶の憂き目に遭うコンピュータシステム発明、特にビジネスモデル特許の話でした。今回は、その拒絶理由を回避するために、どのようにすれば、よいのか、という話です。

 

今の特許審査基準から「発明」に該当しないものとされる「自然法則を利用していないもの」の説明を抜粋すると、以下のとおりです。

 

<自然法則を利用しないもの>

請求項に係る発明が、自然法則以外の法則(例えば、経済法則)、人為的な取決め(例えば、ゲームのルールそれ自体)、数学上の公式、人間の精神活動に当たるとき、あるいはこれらのみを利用しているとき(例えば、ビジネスを行う方法それ自体)は、その発明は、自然法則を利用したものとはいえず、「発明」に該当しない。

逆に、発明を特定するための事項に自然法則を利用していない部分があっても、請求項に係る発明が全体として自然法則を利用していると判断されるときは、その発明は、自然法則を利用したものとなる。

 

ここで、「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」場合、当該ソフトウエアは「自然法則を利用した技術的思想の創作」であるというのが、特許庁の見解です。私達弁理士は、「ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」いることを主張する根拠になる事項を、予め特許出願書類から抜き出して、特許庁審査官の拒絶理由に打ち勝つ主張を組み立てるところで腕が試されてきました。

 

最近では、ベテラン弁理士であれば、「自然法則を利用した技術思想の創作とはいえない」などと言わせない出願書類の書き方をしていると思われます。

 

前に述べた特許審査基準では、その書き方をもう少し突っ込んで述べています。

「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」とは、ソフトウエアがコンピュータに読み込まれることにより、ソフトウエアとハードウエア資源とが協働した具体的手段によって、使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の情報処理装置(機械)又はその動作方法が構築されることをいう。

そして、上記使用目的に応じた特有の情報処理装置(機械)又はその動作方法は「自然法則を利用した技術的思想の創作」ということができるから、「ソフトウエアによる情報処理が、ハードウエア資源を用いて具体的に実現されている」場合には、当該ソフトウエアは「自然法則を利用した技術的思想の創作」である。

 

人工知能が知的財産法に与えるインパクト

続きを読む

知的財産法の保護対象(1) 特許法

バーチャル特許部開設によせて、知的財産法、まずは特許法の保護対象について、最近ニュースに頻出する人工知能に絡めて話をしたいと思います。人工知能は、5年後にはビジネスシーンで使われることが当たり前になって、人工知能を利用したビジネスの発明の特許出願が増えることが予想されるからです。近年の特許出願において、スマホを利用したビジネスモデルに関するものが大量に見られるのと同様の状況が生まれると思われます。
人工知能本体やスマホ本体の発明は、大手大企業や研究所にしかできないかもしれませんが、それらを利用したビジネスモデルの発明は誰にでも手が届くところにあります。そして、スマホのインフラを利用したフェースブックやラインがあっという間に成長したように、今後の人工知能の利用にすごいチャンスを感じさせます。

本題に戻りましょう。

特許法の保護対象

続きを読む