「©マークを付けると何かいいことありますか？」という質問をよく耳にします。
©マークを付けて、このコンテンツをアップした年と名前を入れておくと、それを使いたい人から連絡がきて、何かのチャンスに繋がるかもしれませんよ。ともかくも、このコンテンツを勝手に使わないでねという意思表示にはなります、というのが実用的な答えです。
「©マークを付けないと、著作権を主張できないですか？」
日本では、著作権は、人が表現をした時に自然発生するものです。特別な手続きは要りません。©マークを付けようと付けまいと、発生します。だから、日本では、法律的意味はありません。
豆知識を披露すると、万国著作権条約のみに加入している国における方式要件を満足したものとの意味があります。日本とか米国とかは、ベルヌ条約という別の条約にも加盟しているので、意味がないのです。
もし©マークを付けるならば、「©マーク、著作者名、発行年月日」と正式表記をしておくとよいでしょう。
ところで、ＡＩが作品的なものを創作する時代が始まろうとする今、別の意味が出てきそうな気配です。日本の著作権法によると、ＡＩの作品には著作権が発生しません。©マークを付けられるのは、人が創作した作品だけです。
これからＡＩの作品が大量流通するようになったら、人は自分の作品をアップするときに©マークを付けて、自分の名前を併記することは、意味のあることかもしれません。
以前も書いたように、著作権は、人間の知的活動の創作をカバーする権利ですが、天賦人権ではなくて、法律によって与えられる権利です。知的財産法の改正によって、新しいマークを付けることが要求されるようになるかもしれません。
