J-Plat Patのトップ画面のキーワード欄に自分の名前を打ち込んでクリックすれば、その人が特許出願経験のある人なら自分の過去発明が並ぶはずだろう。「自分の名前で会社時代に出した特許の半分くらいしか出て来ない。J-Plat Patの前の特許電子図書館の頃はちゃんとリストアップされていたのに?」と大手会社をスピンアウトしたKaKeさんからクレームとも相談ともつかない話を聞かされたことを切っ掛けにJ-Plat Patの世界に踏み込んでみました。
誰でもヒットするわけではなさそう
自分の業務では大量の特許文献をダウンロードする必要があり、大量ダウンロードが制限されるJ-Plat Patよりは有料業者のサービスを利用することが多かったのですが、「誰でも、いつでも、どこからでも」の標語の下に運営されるJ-Plat Patに自分の名前を入れて自分の特許文献がリストアップされていないことは放っておけない問題と考えて、KaKeさんが発明者となる特許文献を検索してみました。
姓はKa名はKeです。自分が一般ユーザになったつもりで一緒にKaKeさんが発明者である特許文献を探してみました。
J-Plat Patにアクセスして、直ぐに気づく簡易検索のキーワード欄に手っ取り早く「KaKe」と打ち込んで検索ボタンをクリックしてみると、特許・実用新案で196件がヒットしました。KaKeさん本人に言わせると、ここには明らかにあるべきものがないそうです。それではと、特許・実用新案検索の「発明者/考案者/著者」を検索項目としたテキスト検索を試みてみると、191件。これでは足りない。
自分が発明者だった昔を思い出して、簡易検索欄に「Ka Ke」と打ち込んでみました。名前の打ち込み方には個人のくせがあって姓と名との間にスペースを入れる方がたくさんいます。805件もヒットしました。簡易検索でキーワードを入力した場合はスペース区切りでAND検索です。
それではと、特許・実用新案検索の「発明者/考案者/著者」を検索項目としたテキスト検索で「Ka Ke」を試みてみると、251595件! テキスト検索でキーワードを入力した場合はスペース区切りでOR検索です。
マニュアルを読むべきというのは正論
一般ユーザとしての自分は、この辺であきらめの境地か、DBに抜け落ちがあるのではと考え始めます。なぜなら、簡易検索の「KaKe」打ち込みでヒットした196件の中に「Ka Ke」と発明者欄に記載した文献がたくさんヒットしているからです。「KaKe」と記載した文献しかヒットしないなら、「Ka Ke」をヒットさせる方策に考えがいたるかもしれない。
ユーザマニュアルを紐解くと、以下の通り論理式を組み立てる入力例が載っていますが、KaKeさんはみずからの特許文献に辿りつけませんでした。
<ユーザマニュアルの記載>
スペースが含まれる場合とスペースが含まれない場合の両方を検索したい場合は、論理式を以下のように設定することで検索できます。
検索項目「出願人/権利者/著者所属」で「特許太郎」と「特許 太郎」を検索する場合:[特許 太郎/AP]+[特許太郎/AP]
論理式の中に日本語を入れようとすると、どうしても全角文字を打ち込む必要があるのですが、論理式は半角であることを要求されるため、検索式エラーが頻発して上手くいかないようです。
このケースでの解決策
KaKeさんのケースでは、「発明者/考案者/著者」を検索項目としたKaとKeとの間が2文字以内の近傍検索を紹介して解決を得ました。近傍検索ボタンを押してガイドに沿って入力すると「Ka,2C,Ke」というキーワード式が出来上がり、検索ボタンをクリックすれば317件ヒットしました。KaKeさんにとっても満足のいく検索結果だとの返事をいただきました。
*1文字以内の近傍検索でも同じ結果がでますが、念のため2文字まで広げてみました。