中小企業の知的財産活用

20151127_142353

「下町ロケット」(池井戸潤著)が、2度目のテレビドラマ化されて好評を博しています。帝国重工という大企業を相手に中小企業の佃製作所が特許権を盾に互角に渡り合っていくストーリーには、感動させられるものがあります。

 

中小企業の経営者の方々にも、このドラマに大変感化されて、このドラマで知的財産の大きな可能性に思いを馳せた方がたくさんおられると思います。ただ自社の経営の中で知的財産を活用することを考えたとき、特許権とか商標権と経営との係りにリアリティを感じられない方が大半なのではないでしょうか?

 

自社では取得している特許はまだないとか、数件しか特許を取得していないといった中小企業が特許権を巡ってのドラマチックな係争を展開するというのは、私にもリアリティが感じられません。

 

しかし、「佃プライド」には、ドラマの世界を離れても知的財産との関係でリアリティのある内容があります。今回は、知的財産を活用して「佃プライド」的なものを社内に芽生えさせようという提案をさせていただきます。

 

 知的財産活用と中小企業のプライド

 

知的財産というと、特許権とか商標権とか法的保護されたものをイメージされる場合が多いと思いますが、自社の商品やサービスに工夫をしていれば常にそこに存在しているものです。それらの工夫こそが知的財産なのです。

 

それらの工夫は、多くの場合、ハッキリと分かる形になっていません。形になっていないままだと、何となく思いはあるものの、他との違いを認識できませんから、意識を集中することがなかなかできません。

 

技術的工夫を文書化してその技術を開発した人の名前を技術文書の筆頭に表記したらどうでしょうか?

 

社員が自社オリジナルの技術的工夫を共有できますし、何よりその技術を生み出した社員さんは、その技術にプライドを持つようになるんじゃないでしょうか? そして、その技術を特許にすれば、国が認めた優れた技術だということで、営業は「この商品は自社の特許技術を使っていて・・・・」とプライドをもって売り込めるんじゃないでしょうか?

知的財産の活用というのは、まずは自社の商品やサービスについての工夫を棚卸して見える化するところから始まります。見えるからこそ、財産として意識することができます。

社員一人ひとりが、自社の工夫にプライドを持っている会社は強いと思います。

ドラマとは言え、「佃プライド」の標語の元、自社の技術にプライドを持った社員は強いと思います。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

おすすめの記事