ChatGPTのような進化したAIの出現をチャンスと捉える方々に向けてのお話しです。
ChatGPTの情報捏造問題
ChatGPTに実際に存在する特許の進歩性を検討させたところ、実在しない特許文献を捏造して回答してきた話を以前しました(chatGPTを試す)。特許文献DBに格納された情報を知識化したChatGPTならば、特許文献情報を捏造するようなことはなくなるんじゃないか、と考える人が多いようです。
実際に存在する特許文献を根拠に進歩性の判断をして欲しいので、これで解決するなら素晴らしいことです。しかしながら、ChatGPTのようなLLM(大規模言語モデル)の知識は、従来のDBとは異なる方式で格納がされており、ここに課題があるように思います。
課題は従来型DBとの連携
ChatGPTにストレートに「chatGPTを社員用応答システムに適用するときに、社内に蓄積された文書ひな形や規定を応答に盛込むことはできますか」と質問してみました。
ChatGPTの回答は以下の通り:
ChatGPTを社員用応答システムに適用する場合、社内に蓄積された文書ひな形や規定を応答に盛り込むことは可能です。これを実現する方法としては、以下のようなものがあります。
- ナレッジベースの構築:ChatGPTに事前に、企業の文書や規定などのナレッジを教え込むことで、ナレッジベースを構築することができます。ナレッジベースには、企業の基本情報やサービス、製品の説明などが含まれます。これによって、ChatGPTが会社に関する質問に正確かつ迅速に応答できるようになります。
- 事前定義されたテンプレートの使用:ChatGPTに事前に、社員がよく利用する規定や文書ひな形をテンプレートとして用意することができます。ChatGPTが応答を生成する際には、これらのテンプレートを利用することで、迅速で正確な応答を生成することができます。
- 自然言語処理による応答:ChatGPTは自然言語処理によって会話を生成するため、社内の文書や規定を自然言語の形式に変換することができます。これによって、社員がよく利用する文書や規定を、ChatGPTが自然な文体で応答に盛り込むことができます。
これらの方法を組み合わせることで、ChatGPTを活用した社員用応答システムを構築することができます。ただし、応答に文書や規定を盛り込む場合には、応答内容の正確性や時代に合わせた適正性を確認することが重要です。
課題=チャンス
こういうシステム構築についてのChatGPTくんの回答は妥当に思えます。さらっと答えてくれているけど、問題なのはナレッジベースにないことについても、まるでナレッジベースから検索してきた情報のように回答に含めてしまうことだと思います。
業務に使えるシステムにするには、ChatGPTのような大規模言語モデルの知識と従来型のDBに格納されたデータとの格納構造の違いを意識する必要があり、そこにビジネスチャンスがありそうです。