前方後円墳を墓としてみるならば、前方後円はデザインですが、視点を変えると発明になります。

 

関東には珍しいとされる前方後円墳が逗子市と葉山町との境の山にあります。発想の源泉を求めて山登りをしてきました。

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古墳に見つけた用途発明の源泉

最近、食品に関する発明の請求項に用途限定がある場合には、用途限定が発明を特定するものとして認定することが議論され、審査基準の改定にも反映されようとしています。山登りする私の頭脳には、「用途発明」がインプットされていました。

 

逗子海岸に流れ込む田越川の直ぐ脇に登り口があり、古墳までの行程はちょっとした運動になります。自然の中の運動だけでも発想が湧いてくる気がします。

 

丘のような山の尾根に古墳がありました。「後円」部が、山の頂上になるような感じです。頂上を越えると「前方」部が続きます。

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「前方」の先が明るく開けています。その先は海に違いありません。墓なのですから、その用途は死者を収めることに決まっているのですが、そんな風には感じられません。まるで、海へ続く展望台です。

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展望台に見立てられる「前方」の軸は、なんと!江の島に真っすぐに向けられているではないですか。

ここで、視点を海に浮かぶ船に移してみましょう。海から逆に古墳を見上げると、「前方」が真っすぐにこちらに向けられています。それは、自分が正しい海路を進んでいることの確認になったのではないでしょうか?

 

古墳の用途を標識と限定して見ると、単なる円に比べて顕著な効果を有する特徴が「方」部にあることは明らかです。そして、「方」部は、海から見て「前」にある必要があります。「前」にあるから、船から方向を見極める機能を発揮できるわけです。

 

前方後円墳は、船に対して進入路を示す標識という用途発明だったのではないでしょうか。

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