「©マークがついてない画像は、使ってもいいんですか?」

 

専門家としての標準的答えは、「安易に使ってはダメです。著作権フリーかどうか確認しましょう。」といったところでしょう。これは、実用的答えになっていないですよね。実用的な確認方法がないのですから。

 

ところで、下の写真は、著作権の観点から使っていいと思いますか?

Macaca_nigra_self-portrait_large

クロザルの自撮り

 

上の写真は、自然写真家ディヴィットさんのカメラでクロザルさんが自分の顔を撮影したものなのです。この問題は、以前から「著作権なし」と決着がついていた問題です。しかし、あまりのクリエイティブだったため、2014年に話題になり、裁判沙汰になりました。

 

著作権は、日本の著作権法の定義によれば、人間が「思想又は感情」を表現したときに生まれます。他の知財権の多くに特徴的な登録という行為は不要です。

しかし、クリエイティブな表現が生まれたからといって、著作権が生まれるとは限りません。

 

 

AIの創作

 

最近は、人工知能(AI)が、毎日のニュースで話題になっています。AIが作曲したり、近い将来には小説を書くAI作家も生まれそうな勢いです。

 

クロザルの自撮りのような写真は、例外的問題ですが、AIの作品は、将来大量生産されて、身近なコンテンツとして普遍的問題になりそうです。

 

著作権法の大家 加戸先生は、著作の中で、「著作権は、人間の知的活動の重要な部門をカバーする権利でございますということです。」「この著作権は天賦人権ではなくて、法律によって与えられる権利である」と述べられてます。

それならば、知的財産法の改正を期待してよいかもしれません。

 

最近の法改正の動向

 

内閣官房の知的財産戦略推進事務局において、 「デジタル・ネットワーク時代の著作権制度について、法律が今の時代に合っていない点、新たなクリエーターが様々な形で出てきている点、国際的な競争への対応など、制度の柔軟性は必要。一方で、コンテンツが仕事そのものであるようなものは、しっかりと守られることが大事。」

といった議論がなされています。

 

「このコンテンツ使って大丈夫ですか?」と聞かれた知財専門家が、「○○○だから、安心して使ってください」といえる制度になってくれることを期待したいます。

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